2026年1月2日、中野区。初の年明けは初雪だった

Solo Emotion|孤独と感情

年が明けて二日目。
正月らしい予定は特になく、朝もいつもと変わらない時間に目が覚めた。カーテンの隙間がやけに明るくて、外の音が少ない。中野区の朝は、平日ならもう少し生活音がするはずなのに、この日は静かだった。

窓を開けると、空気が冷たい。吐く息が白く、視界の端で細かい白いものが落ちているのに気づいた。雪だった。都内で暮らしていて、年明けに雪を見るのは初めてかもしれない。ニュースで「初雪」と聞くことはあっても、実際に体感することは少ない。ましてや、年が変わってすぐのタイミングで、こうして静かに降る雪を見るのは久しぶりだった。

外に出る理由は特になかったが、少し歩いてみることにした。近所の道はまだ誰も踏んでいない部分が多く、アスファルトの上に薄く白が残っている。派手さはない。ただ、街全体が少しだけ音を吸い込んでいる感じがした。

中野という場所は、人が多くて、便利で、常に動いている印象がある。でもこの朝は違った。商店街もシャッターが多く、開いている店も控えめに営業している。正月らしいと言えばそうなのかもしれないが、そこに雪が加わることで、時間が一段ゆっくりになったように感じた。

年明けだからといって、気持ちが切り替わるわけではない。昨日と今日の差は、日付が一つ進んだだけだ。将来の不安も、生活の現実も、そのまま続いている。ただ、雪を見ている間だけは、考えが少し止まった。何かを決める必要も、前向きになる必要もなく、ただ立っているだけでよかった。

足元が冷えてきて、手もかじかんできたので、早めに戻ることにした。部屋に入ると、暖房のぬるい風が当たって、現実に戻る感覚がある。外で感じた静けさは、ドアを閉めた瞬間に切り替わった。

コーヒーを淹れて、窓の外をもう一度見る。雪は少し弱くなっていて、積もるほどではなさそうだった。都内の雪は、いつもこんな感じだ。話題にはなるけれど、長くは残らない。

それでも、この日の雪は記憶に残ると思った。初めての中野で迎える年明け。特別な出来事は何もないけれど、初雪という静かな現象が、その日の輪郭をはっきりさせてくれた。

2026年がどうなるのかは分からない。期待も不安も、正直どちらも大きくはない。ただ、こうして一人で、静かな朝を迎えられたことは事実として残る。年明けは、必ずしも賑やかでなくていい。誰かと比べる必要もない。

雪がすべてを白くするように、少しだけ思考を覆ってくれた朝だった。それだけで、この年の始まりとしては十分だった気がする。

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